TOPカテゴリーなし【報告】2011年度アジアラウンドテーブル/QREP成果報告会

【報告】2011年度アジアラウンドテーブル/QREP成果報告会

2012年3月4日~11日まで1週間の米国・シリコンバレー現地講習が、また3月21日には最終報告会(QRECセミナー“アジア・ラウンドテーブル”と併催)が行われ、QREP2011の全てのプログラムが無事に終了しました。

■QREPとは

2005年度から毎年開催されている”九州大学/ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・プログラム“、通称QREPは、米国シリコンバレーに1週間滞在し、多彩な現地講師らによる講義や、企業訪問、スタンフォード大学等との学生との交流を通じて、自らのキャリア形成を考え、チャレンジ精神を高める機会を提供しています。

 

2011年度は3月4日~11日まで現地講習が行われました。2011年度は、農学部、歯学部、工学部・学府、理学部、システム情報科学府、総合新領域学府、教育学部、文学部、経済学部、芸術工学部、ビジネススクール等、12の学部・大学院20人の学生が参加、年齢も大学1年生から社会人学生まで、19歳から30代前半までと多岐に渡り、さらに協定校である早稲田大学からも5人の学生が参加し、多彩なメンバーで構成されました。

1週間のプログラムは、“このプログラムで何を学ぶか“という講義から始まり、企業が必要とする人材と自分のキャリア形成の関係を理解する講義、世界で通用する人材像を提示するグローバルキャリアの講義、起業家の創業に関するお話を聞く起業家精神論、米国企業で働いている日本人の方たちのセッション、ベンチャーキャピタリストからの起業についてのお話、研究職のキャリア形成のお話を聞くセッションやパネルディスカッション、途上国の課題解決に取り組むBOPアントレプレナーシップ論、ソーシャルビジネスの仕組みや人材に関するお話など多様な側面からアントレプレナーシップを考える講義が続きました。更にはリーダシップ論や、日米ビジネス比較論、英語での講義やスタンフォード大学を訪問しての学生とのディスカッション、研究室訪問、シリコンバレー企業訪問、大学のOBも参加してのレセプションなど、朝から夜までみっちりとプログラムが組まれています。この間40名以上の方が講師として、学生達のためにボランティアで参加してくれました。

学生の皆さんは、毎日の講義と復習、英語でのプレゼンテーションの準備など、毎日、沢山のインプットとアウトプットで忙しい日々を過ごしました。出発前に学生を悩ませたスタンフォード大学との学生交流でのプレゼンテーション、今年のテーマは、“東日本大地震以降、日本で起こった新たな事象について“でした。各チーム、①日本人(各年齢層)の精神面、行動面での新事象、変化、②経済、産業、ビジネス面での新事象、変化、③科学者や技術者に関する新事象、変化、④海外との関係における新事象、変化(含外国人観光客の動向)から一つに絞りプレゼンテーションを行いましたが、日本で事前研修時にプレゼンの練習をしその後も改良を加えて望んだ結果、各チームは悪戦苦闘しつつも楽しいディスカッションを行っていました。

最終日には、米国で起業家し大成功を収めた九州大学OBのロバート・ファン氏も駆けつけ、参加学生へエールを送って下さいました。全米で最も快適な気候と言われているシリコンバレーも、3月は雨が多いという話でしたが、今年のQREPでは一度も雨が降らず、澄み切った青い空の中、シリコンバレーの起業家の気持を感じとれるような刺激的な1週間でした。中間発表、最終発表でのコメントには、「今の自分を反省した」、「自分の好きなことをやる勇気を得た」、「毎日が充実していた」、「まず行動したい」と前向きの言葉が多数あり、帰国後の学生の皆さんの生き方が確実に変わってゆくと予感しました。

 

3月21日には、QREP最終報告会(アジア・ラウンドテーブルと併催)が開催されました。

テーマは、“後ろを振り向くな、未来の活力ある地域を創造しよう!”-東日本大震災から新たな地域作りを目指す東北の試みに学ぶ-“。でした。東北で震災復興のため活動を行っている方々のお話を聞いた後、QREP参加学生は、個人の成果発表とグループ課題発表として、スタンフォード大学で意見交換をした内容を生かし、”東日本大震災後の東北地域、日本全体の復旧・復興のために有効、かつ日本全体を活性化するビジネスのプラン“を発表しました。どの発表も沢山のアイデアが詰まっており、QREP2011の集大成となりました。

QREPは、九州・日本では会えない人々との交流や米国で活躍する豪華な講師陣からの講義だけでなく、普段交流のない他学部や他大学からの参加学生との交流があることも大きな特徴です。新しい仲間と刺激的な時間を過ごし、また意識が大きく変化して見方が世界に広がった経験を生かし、これからの生き方に反映して欲しいものです。